KuRAD

概要

大規模火山噴火に伴って発生する火砕流や放出される降下火砕物はその地域の住民の生命・財産に直接的な被害をもたらします。また、交通や通信などのインフラを麻痺させ地域社会の日常生活や経済を破壊します。加えて、噴火と同時にあるいは前後して豪雨が発生すると、火砕物は洪水や土石流などの複合災害を引き起こします。これらの事態に対処するためには、火山噴火に伴って放出される火砕物を定量的に把握し、その情報を防災・減災対策に利用することが求められます。従来の観測では目視,監視カメラ、衛星による監視が用いられてきましたが,近年の国内外の研究から火砕物の定量的な評価に気象レーダが有効であることがわかってきました.

このような状況を踏まえて、鹿児島大学地震火山地域防災センターではプロジェクト研究「大規模火山噴火にレジリエントな地域社会の実現に向けた取組」(2016~2021年)の中で、火山観測用Kuバンド高速スキャンレーダを整備し、大規模噴火の発生時には、機動的なレーダ観測により得られた降灰情報を国や地方自治体の防災担当者に配信し、地域住民の避難・帰宅やライフラインを維持する作業員の安全確保に役立てるための研究を行っています。

 

 

 

 

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